暴落を続ける株式市場で目下懸念するのが金融危機の発生だ。これだけ下がるとヘッジファンドや銀行・証券・関連業種でつぶれるところがでてくるはず。一時はFANG株として人気化したネットフリックスが金曜日だけで2割暴落するとは尋常でない。半導体などのテクノロジー株はもう終わりだと思うしアップルなどのビッグテックの下げも止まらないし利上げに強いとされる金融のゴールドマンサックスも暴落しているから相場は相当弱い。ショートカバーで急反発する場面があったとしてもそこは持ち株を処分する絶好の売り場になるのではないか?
アメリカ株式市場ではここ3日間引け際に暴落するパターンが続いている。これはマスコミに「アップル株は今こそ買いだ!」などと書かせて、まだ上昇相場が続いていると個人投資家に思わせておいて、銀行・証券やヘッジファンドが引け際にこっそり一気に売り逃げるためだと思う。株の時代は終わった。利上げが打ち止めになるメドがつくまでしばらくお休みだ。
年初から暴落するのは日本のバブル崩壊が始まった1990年に似ていて嫌な感じがする。現在ロシアとウクライナが戦争を始める危険があるが、バブル崩壊を始めて戻りかけたところで湾岸戦争が始まってさらに暴落した1990年の東証の二の舞にならないことを願う。アメリカ・日本いずれの相場も金融緩和時代が長く続いた末に中央銀行が始めた利上げが暴落の直接の原因になっている。日本のバブルの発生も、プラザ合意でアメリカに迫られた円高の結果日銀が行った金融緩和の余ったカネが株と土地に流れ込んで起きたもので、計算上当時の東京都全体の地価でアメリカ一国が買えてしまうという異常な地価となった。そんなバカげた地価が続くはずもなく、資産インフレ(地価と株価の暴騰)を鎮静化させるために行った日銀の連続的な利上げで株価は1990年初から大暴落をはじめ、1989年末大納会の38,957円から2008年の6,994円まで18年かけて82%下がった。中央銀行がバブルを作ってバブルをつぶして大不況をもたらした。「中央銀行なんてなければいいのに・・」と痛切に思った。今のFRBに対しても同じことを思う。
ベテラン投資家なら新年に安いとその年はまずダメだという経験則を知っているはずで今回の暴落の危険を避けたと思う。ビギナーは高い授業料を払わされることになると思うが株の運用で最も重要なのは経験だけだから仕方ない。どのチャートも2020年からの長期上昇トレンドを割り下落相場に入ったことを示しているので、生活に必要な金(家賃とか)まで株につぎ込んでしまった人は換金売りを迫られるだろう。明日以降の日本市場も相当弱いと思う。