白黒写真ではわからないが、東海大付属小の制服は男女とも赤のネクタイ。カラー写真で一見するとソ連のピオニール(共産主義少年団)や中国の紅衛兵のスカーフのよう。女子がリボンでなく赤いネクタイというのはかなり異様だが、それが東海大小の売りで生徒を集めた。清水区の私立小にはもう一つカトリックの星美学園小(サレジオ小)があるが、国家神道を信じて絶対に勝つはずの戦争に負けてしまった親たちは、もはや宗教にうんざりし、非宗教系の東海大小を選んだ。科学万能主義が流行の最先端だと思え、工学系の東海大がいいと考えた。社会主義と共産主義が、風俗としても流行した。商売人の松前は、そのニーズをよく掴み、なんちゃって社会主義、なんちゃって科学万能主義で客を集めた。でも教師は清水の公立小からの寄せ集めだった。